2019年度新規公開作品で500位ランキングに入ったのはXHTML版で2作品、テキスト版で27作品。2019年度の新規公開作品数は613だから、500位までのランクイン率はXHTML版0.3%、テキスト版4.4%である。昨年よりずっと少ない割合であるが、2019年は著作権が死後70年となり、新規の作家が公開されなかったことを考えれば当然のことかもしれない。
とはいえ、XHTML版とテキスト版とのなんという非対称性であろう。

■青空文庫2019年度新規公開作品のXHTML版一日当たりアクセス数ランキング
ランキング500位入りしたXHTML版新規公開作品は2作品だけで、一日当たりアクセス数（200超過アクセス/日）のトップはダ・ヴィンチ作/芥川竜之介訳「レオナルド・ダ・ヴインチの手記—— Leonardo da Vinci ——」（15.46）、2位吉川英治「新・水滸伝」（9.72）。「レオナルド・ダ・ヴインチの手記—— Leonardo da Vinci ——」はテキスト版では9位、「新・水滸伝」はテキスト版5位。

■青空文庫2019年度新規公開作品のテキスト版一日当たりアクセス数ランキング
テキスト版の一日当たりアクセス数（200超過アクセス/日）の1位から3位はすべて江戸川乱歩作品。トップは「月と手袋」（36.12）、2位「目羅博士の不思議な犯罪」（35.72）、3位「悪霊」（26.07）。
著作権法改訂により、2019年にパブリックドメイン入りした作家はなかった。ランキング500位入りした27作品のうち江戸川乱歩作品が10作品（37％）、山本周五郎作品が9作品（33％）と2人の作品で70%を占め、他に谷崎潤一郎作品、アンデルセン作/矢崎源九郎訳が2作品ずつ入っている。