2021年度新規公開作品で500位ランキングに入ったのはXHTML版でただ2作品、テキスト版で59作品。
2021年度の新規公開作品数は509だから、500位までのランクイン率はXHTML版0.4％、テキスト版11.6％で、2020年度のXHTML版0.2％、テキスト版6.3％より多くなった。XHTML版で新規公開作品が年間アクセスランキングにほとんど入らないのは相変わらずの傾向である。


■青空文庫2021年度新規公開作品のXHTML版一日当たりアクセス数ランキング
ランキング500位入りしたXHTML版新規公開作品は佐藤春夫「「三つの宝」序に代へて」（24.09）、2位グリム兄弟/矢崎源九郎訳「赤ずきん」（5.53）の2作品だけであった。佐藤春夫「「三つの宝」序に代へて」は、芥川龍之介「三つの宝」の単行本ができる前に芥川が亡くなったので、その「序」を「他界へのハガキ」として佐藤春夫が書いたもの。たまたま残っていた2018年の作業中作品の一覧表には、「「三つの宝」序に代へて」は掲載されていないから、公開に近い日の入力・校正と思われる。公開された4月にXHTML版の4位13726アクセスがあって、その後の500位までのランキングには入ってはいなかったが、年間ではもちろん文句なしのランキング1位となった。2位のグリム兄弟「赤ずきん」は有名な童話であるから、アクセスが多いのもうなずけるが、新規公開がちゃんと伝わっていることの証拠であろうか。

■青空文庫2021年度新規公開作品のテキスト版一日当たりアクセス数ランキング
ランキング500位入りした59作品のうち山本周五郎作品が34作品（57％）、江戸川乱歩作品7作品（11％）と2人の作品で約70%を占め、これは2020年新規公開作品での公開と同様である。表を見ると、江戸川乱歩作品が上位を占めており、山本周五郎作品は中位を占めている（特に22位から40位を独占）のが特徴的である。
テキスト版の一日当たりアクセス数（200超過アクセス/日）のトップはドストエフスキー/米川正夫訳「罪と罰」（83.12）。さすがに有名作品のことはある。