10月の新規公開作品は46作品。そのうち、500位まで入った作品はXHTML版で12作品、テキスト版で19作品。XHTML版での12作品は、テキスト版にも入っており、7作品がテキスト版だけのランクインである。新規公開作品のランクインは毎月、テキスト版の作品の方が多く、XHTML版のランクイン作品はテキスト版でもランクインしているようである。

XHTML版の1位は中原中也「宮沢賢治全集」、テキスト版の1位は吉川英治の「剣の四君子 05 小野忠明」。中原中也「宮沢賢治全集」からは、賢治を生前に知っていた中原中也が、その作品の素晴らしさをはっきりと掴んでいたことが分かる。テキスト版では2位、3位も「剣の四君子」シリーズで、2位が「剣の四君子 03 林崎甚助」、3位が「剣の四君子 04 高橋泥舟」だが、残念ながら、どの剣豪のことも知らない人たちである。

既存作品ではXHTML版とテキスト版の15作品のうち、共にランクインしているのはオー・ヘンリー「罪と覚悟」、新美南吉「ごん狐」「手袋を買いに」だけであった。オー・ヘンリー「罪と覚悟」は10/14放映のTV番組でに林修先生のおすすめの作家とその作品としてオー・ヘンリー「罪と覚悟（よみがえった改心）」があげられていたことによる。新美南吉「ごん狐」は2014年10月11日（土）放映の「世界一受けたい授業」での「教育者に聞いた日本の名作ベスト50」にあげられていたからだろう。「桃太郎」もベスト50のうちに入っていたので、もしかしたら坂口安吾の「桃太郎」のアクセス増もこのせいだったかもしれない。

■青空文庫 ’14/09 – ’14/10 XHTML版新規公開作品一日当たりアクセス数(200超過アクセス/日)ランキング

’14/10月XHTML版の新規公開46作品のうち、500位まで入った作品は12作品、約26%（テキスト版では19作品、約41%）と、12ヶ月平均の40%より低い。

一日当たりアクセス数(200超過アクセス/日)のトップは、中原中也「宮沢賢治全集」(200超過アクセス/日は26.78)。2位は北原白秋「桐の花」(同18.83)、3位は樋口一葉「この子」(同18.50)。

吉川英治の”剣の四君子”シリーズは、5位（小野忠明）、6位（林崎甚助）と12位（高橋泥舟）とやや低いランク。

■青空文庫 ’14/09 – ’14/10 XHTML版 アクセス増率ランキング

XHTML版アクセス増率1位は伊丹万作「戦争責任者の問題」（アクセス増率6.21）。2位芥川 竜之介「桃太郎」（アクセス増率5.67）、3位寺田寅彦「電車の混雑について」（アクセス増率2.02）。

1位の伊丹万作「戦争責任者の問題」は、10/19（日）にNHKテレビで放映された「カラーでよみがえる東京 ～不死鳥都市の100年～」で伊丹万作の「戦争責任者の問題」中の言葉が紹介された影響らしい。

前月ランク外からランクインしたのは、5位宮沢賢治「マリヴロンと少女」、6位夢野久作「人間腸詰」、10位河上肇「貧乏物語」。

■青空文庫 ’14/09 – ’14/10 テキスト版新規公開作品一日当たりアクセス数(200超過アクセス/日)ランキング

’14/10月の新規公開46作品のうち、テキスト版で500位まで入った作品は19作品で、41％。12ヶ月平均の52%より低い。

1位から3位まで吉川英治「剣の四君子」シリーズが占め、1位は「剣の四君子 05 小野忠明 」(200超過アクセス/日は35.83）、2位「剣の四君子 03 林崎甚助」（同26.55）、3位「剣の四君子 04 高橋泥舟」（同22.73）。4位の中谷宇吉郎「雪を消す話」以降は200超過アクセス/日は10以下になる、14位三枝博音「啄木とデカルト命題」以下はマイナスつまりアクセスが200以下となる。

■青空文庫 ’14/09 – ’14/10　テキスト版 アクセス増率ランキング

1位は吉川英治「日本名婦伝 細川ガラシヤ夫人」（アクセス増率2.04）、2位オー・ヘンリー「罪と覚悟」（同0.75）、3位は夏目漱石「三四郎」（同0.45）。

1位吉川英治「日本名婦伝 細川ガラシヤ夫人」と5位ポー「マリー・ロジェエの怪事件」は、前月末の公開作品。引き続きアクセスが続いてのアクセス増ランクイン。

前月ランク外からランクインしたのは、7位の岡本綺堂「半七捕物帳 02 石灯籠」。

■アクセス数合計の推移

’14/10月のアクセス数はXHTML版500,559、テキスト版232,932。対前月比でXHTML版103%、テキスト版100%。

対前年同月比では、XHTML版99%と同レベル、テキスト版59%の減少。4月以降の対前年同月比でXHTML版が増加（10月は同レベルだが）、テキスト版が減少という傾向が続いている。