’18/12月のアクセス増率ランキングに入ったXHTML版とテキスト版の15作品のうち、共にランクインしている作品は4つ。太宰治「水仙」、同「メリイクリスマス」、江戸川乱歩「算盤が恋を語る話」、同「お勢登場」。

太宰治「水仙」は、テレビ朝日のグッド！モーニングの「林修の金曜旬語録」のクイズで紹介されたためと思われる。番組の中では次のような３択クイズがあったという。

Ｑ．太宰治の『水仙』で静子の絵を見た主人公の行動は？
A．
青：高値で買い取った
赤：ビリビリと裂いた
緑：静子に求婚(プロポーズ)した

「メリイクリスマス」は毎年12月にアクセスが増える定番。

江戸川乱歩の「算盤が恋を語る話」と「お勢登場」は、12月30日にNHK BSプレミアムで放映されたドラマ『満島ひかり×江戸川乱歩』の３話のうちに入っていたためのようだ。残りの１つは「人でなしの恋」なのだが、この作品はXHTML版ではアクセス増率５位で、「算盤が恋を語る話」、「お勢登場」に次いでいるのに対し、テキスト版では11月のアクセス数が多かったためにアクセス増率としては75位（0.06）であった。

■青空文庫 ’18/12 XHTML版新規公開作品一日当たりアクセス数(200超過アクセス/日)ランキング

’18/12月の新規公開53作品のうち、XHTML版の500位まで入った作品は11作品、24%（テキスト版では40作品、65%）と、12ヶ月平均の46%よりかなり少なかった。

一日当たりアクセス数（200超過アクセス/日）の1位は海野十三「探偵小説と犯罪事件」（28.33）、2位ブラックウッド「秘密礼拝式」（15.18）、3位グリム「小人のくつ屋さん」（14.63）。

■青空文庫’18/11 – ’18/12 XHTML版 アクセス増率ランキング

XHTML版アクセス増率の1位は太宰治「水仙」（22.42）、2位江戸川乱歩「お勢登場」（4.18）、3位太宰治「メリイクリスマス」（2.56）。

4位に江戸川乱歩「算盤が恋を語る話」（2.49）、5位に同「人でなしの恋」（2.08）。8位に小泉信三「この頃の皇太子殿下」（1.68）。

アクセス増率1.00以上だったのは、12位の更にアクセス数を伸ばした折口信夫「大嘗祭の本義」（1.03）まで。

■青空文庫 ’18/12 テキスト版新規公開作品一日当たりアクセス数(200超過アクセス/日)ランキング

’18/12月の新規公開46作品のうち、テキスト版で500位までに入った作品は40作品、86%。ランクインしなかった6作品は、月末の12/28に公開された堀辰雄「四葉の苜蓿」、同「「浴泉記」など」、12/29公開の北大路魯山人「南浦紹明墨蹟」、12/31公開の和辻哲郎「鎖国 日本の悲劇」、林芙美子「雨」、山本周五郎「年の瀬の音」。なお、12/30公開の横光利一「火の点いた煙草　一名――煙草蒐集家の奇禍」はランクインしている。

■青空文庫’18/11 – ’18/12　テキスト版 アクセス増率ランキング

テキスト版アクセス増率の1位は吉川英治「神州天馬侠」（1.36）、2位江戸川乱歩「お勢登場」（0.99）、3位ディケンズ「クリスマス・カロル」（0.66）。

■アクセス数合計の推移

【青空文庫アクセスランキング500位までの18/12月合計値】XHTML版564,936（前月比96%、対前年同月比105%）、テキスト版198,397（前月比96%、対前年同月比98%）。