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XHTML版とテキスト版とでアクセスされる作品が異なっている様子が2013年-2014年のアクセス増率でもみられた。アクセス増率ランキング15位までで共通なのはアンデルセン「雪の女王 七つのお話でできているおとぎ物語」と夏目漱石「それから」(新字新仮名版)だけである。
ランクインしている作品名を見ると、XHTML版のほうがその時々の話題に沿った作品があるようだ。
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XHTML版とテキスト版とでアクセスされる作品が異なっている様子が2013年-2014年のアクセス増率でもみられた。アクセス増率ランキング15位までで共通なのはアンデルセン「雪の女王 七つのお話でできているおとぎ物語」と夏目漱石「それから」(新字新仮名版)だけである。
ランクインしている作品名を見ると、XHTML版のほうがその時々の話題に沿った作品があるようだ。
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2014年度新規公開作品で500位ランキングに入ったのはXHTML版で6作品、テキスト版で14作品と、2013年度(XHTML版8作品、テキスト版9作品)と比べて大幅に減り、2011年度、2012年度並に戻った(2011年度:XHTML版8作品、テキスト版9作品、2011年度:XHTML版10作品、テキスト版10作品)。やはり、2013年は吉川英治作品のビッグイヤーであったのだった。
2014年度の新規公開作品数は547だから、500位までのランクイン率はXHTML版1.1%、テキスト版2.6%となり、2012年度と同じ程度である(2011年度:1137作品公開、ランクイン率XHTML版0.7%、テキスト版0.8%、2012年度:730作品公開、ランクイン率XHTML版1.4%、テキスト版1.4%、2013年度:647作品公開、ランクイン率XHTML版4.8%、テキスト版8.7%)。
10月の新規公開作品では、樋口一葉「たけくらべ」(新字旧仮名版)がXHTML版、テキスト版ともに1位であった。樋口一葉のほかの2作品「ゆく雲」「別れ霜」もXHTML版、テキスト版ともにランクインではあるが、その順位は異なる。XHTML版とテキスト版とで共通にランクインしているのは、13作品、約60%。共通でないのは、XHTML版でランクインの竹内浩三作品、テキスト版でランクインの北大路魯山人作品と薄田泣菫作品。
既存作品ではXHTML版とテキスト版の15作品のうち、共にランクインしているのはディケンズ「クリスマス・カロル」だけで、見事に分かれている。XHTML版がテレビ放送の影響を大きく受けているといえるが、この傾向がずっと続いてきたものかどうか、今月だけの傾向なのか、ちょっと分かりかねる。
10月の新規公開作品は46作品。そのうち、500位まで入った作品はXHTML版で12作品、テキスト版で19作品。XHTML版での12作品は、テキスト版にも入っており、7作品がテキスト版だけのランクインである。新規公開作品のランクインは毎月、テキスト版の作品の方が多く、XHTML版のランクイン作品はテキスト版でもランクインしているようである。
XHTML版の1位は中原中也「宮沢賢治全集」、テキスト版の1位は吉川英治の「剣の四君子 05 小野忠明」。中原中也「宮沢賢治全集」からは、賢治を生前に知っていた中原中也が、その作品の素晴らしさをはっきりと掴んでいたことが分かる。テキスト版では2位、3位も「剣の四君子」シリーズで、2位が「剣の四君子 03 林崎甚助」、3位が「剣の四君子 04 高橋泥舟」だが、残念ながら、どの剣豪のことも知らない人たちである。
既存作品ではXHTML版とテキスト版の15作品のうち、共にランクインしているのはオー・ヘンリー「罪と覚悟」、新美南吉「ごん狐」「手袋を買いに」だけであった。オー・ヘンリー「罪と覚悟」は10/14放映のTV番組でに林修先生のおすすめの作家とその作品としてオー・ヘンリー「罪と覚悟(よみがえった改心)」があげられていたことによる。新美南吉「ごん狐」は2014年10月11日(土)放映の「世界一受けたい授業」での「教育者に聞いた日本の名作ベスト50」にあげられていたからだろう。「桃太郎」もベスト50のうちに入っていたので、もしかしたら坂口安吾の「桃太郎」のアクセス増もこのせいだったかもしれない。
新規公開作品ではXHTML版、テキスト版ともに、ポー「マリー・ロジェエの怪事件」と吉川英治の「剣の四君子」シリーズ、「日本名婦伝」シリーズが上位を占めている。下の表では、各行の色付けを著者ごとにするように変えてみた。特徴がより見やすくなっただろうか。
既存作品ではXHTML版とテキスト版の15作品のうち、共にランクインしているのは、坂口安吾「二流の人」だけであり、ランキング内容はまるっきり異なっている。この違いはどこから来るのか、相変わらず分析できないでいる。
今月も、アクセスランキングの500位まで月間アクセス数合計がXHTML版で増加、テキスト版で減少という対称的な動きが続いた。
新規公開作品では、ルナール「にんじん」がXHTML版、テキストバン共に1位。
既存作品ではXHTML版とテキスト版とは、リストがほとんど重ならないのだが、唯一重なったのが新字旧仮名版と新字新仮名版の2つの芥川竜之介「蜜柑」。これはテレビ朝日「林修の今でしょ!講座」 林先生が厳選! 夏休みに読んで欲しい本」で宮沢賢治「注文の多い料理店」と共に勧めていた作品。林先生は物語に出てくる色調に注目して解説していた。
アクセスランキングの500位まで月間アクセス数合計がXHTML版で増加、テキスト版で減少という対称的な動きは、今月も続いた。新規公開作品数では野村胡堂「銭形平次捕物控」シリーズの公開が減少し、地味な作家・作品の公開が続くなかで、火野葦平「糞尿譚」の公開が目を引く。
既存作品のアクセス増率ランキングではXHTML版1位の長谷川時雨「柳原燁子《白蓮》」に注目。NHK連続テレビ小説「花子とアン」での仲間由紀恵演じる蓮子《白蓮》の絶縁状や、歌集『踏絵』中の短歌も読める。作者の長谷川時雨については、女性だと知らなかった。「花子とアン」の醍醐さんが蓮子のことを書いているので、醍醐さんのモデルは長谷川時雨かと思ったが、それは違った。「柳原燁子《白蓮》」は『近代美人伝』の中の1編、青空文庫では他に「樋口一葉」、「マダム貞奴」、「松井須磨子」などが読める。
アクセスランキングの500位まで月間アクセス数合計がXHTML版で増加、テキスト版で減少という対称的な動きを見せているなかで、新規公開作品数がXHTML版は16作品、テキスト版は35作品と2倍ほど異なる。
既存作品のアクセス増率ランキングではXHTML版とテキスト版ともに黒岩涙香「幽霊塔」が1位。今まで目にしたことのない作品なのだが、Googleで検索してみると乃木坂太郎のマンガ「幽麗塔」がヒットしていることの影響のようだ。ビックコミックスペリオールでの連載開始は2011年とかなり前だが、今回のヒットは電子書籍版が「ソク読み」http://sokuyomi.jp/product/yuureitou_001/CO/1 で試し読みできるようになったからのようだ。
新規公開作品のランキングで、XHTML版とテキスト版で違いが分かるのは、テキスト版では野村胡堂の銭形平次捕物控が上位に来ていることである。XHTML版は21作品、テキスト版は26作品でテキスト版の方が多いのだが、XHTML版で抜けているのは戸坂潤「エマヌエル・カント『自然哲学原理』解説」と、5月下旬に公開された野村胡堂「銭形平次捕物控」作品。野村胡堂「銭形平次捕物控」シリーズは、公開されたらテキスト版をすぐダウンロードし、スマートフォンなどの青空文庫ビューアで読む人が多いようだ。
既存作品のアクセス増率ランキングは、毎月のことだが、XHTML版とテキスト版とでまるで様子が異なる。共通している作品は菊池寛「真珠夫人」(XHTML版6位、テキスト版1位)と田山花袋「田舎教師」(XHTML版2位、テキスト版11位)だけであった。
新規公開作品の中では、野村胡堂、吉川英治の新規公開作品は軒並みランクインしていることは、いつもの通りだが、今月ラヴクラフト「ニャルラトホテプ」がXHTML版で1位(200超アクセス235.56)、テキスト版で2位(200超アクセス54.74)であることが注目される。やはり、注目されている作品は、大きなアクセス数を得ることができるのdさ。
既存作品のアクセス増率ランキングは、XHTML版とテキスト版とでまるで様子が異なる。XHTML版にランクインしている作品は、なにが要因でアクセス数が増加しているのか、私には分からない。芥川竜之介「軍艦金剛航海記」は、艦コレが要因らしい。
テキスト版では1位がグリム「白雪姫」で、ほかにグリム作品が6作品もランクインしている。ディズニー映画「アナと雪の女王」の大ヒットの影響で、アンデルセン童話だけでなく、グリム童話のアクセス数が増えているのであろう。