青空文庫’12/10月-’12/11月の月間アクセス増分析
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カテゴリー:電子書籍,青空文庫 | 投稿者:POKEPEEK2011 | 投稿日:2012年12月8日 |

青空文庫のアクセスランキング500はXHTML版とテキスト版との2つのカテゴリーで掲載されている。総合的な順位を知ろうとすれば、合算して、順位を出せば良いのだろうが、XHTML版とテキスト版とでは、ランクインしている作品はずいぶん異なっている。ちょっと計算してみたら、その異なり度は43%と出た。その異なり具合を簡単に見せることはできそうにないが、その一端を今月は新しい表として付け加えた。Wordpressで自分なりの表組みができるようになったからと言って、表だらけの記事になってしまっているが、筆者が表からコメントできることは少ないので、読者自身がそれぞれの知識・興味から、表から読み取れることを読み取って欲しい。それをコメントとして、投げかけてくれれば、この記事もより面白くなるだろう。
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青空文庫’12/09月-’12/10月の月間アクセス増分析
67

カテゴリー:電子書籍,青空文庫 | 投稿者:POKEPEEK2011 | 投稿日:2012年11月17日 |

10月度は、それと分かる原因でアクセス増率のランキング上位に入る作品が珍しく多いようです。リストができあがるまで、認識していませんでしたので、こんなことが分かるというのがちょっぴり楽しい気分です。アクセス増率のランキング分析は、断層写真の1枚の画像のようで、本当の傾向を知るには、断層写真を連続的に見る必要があるように、推移についてのなにかの技法が必要と思われます。出版業界や音楽業界には、そのような分析方法を駆使しておられる方たちがおられるでしょうか。
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もうひとつの「リフローは難しい」、あるいは期待するリフロー その4
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カテゴリー:WEB,電子書籍,青空文庫 | 投稿者:POKEPEEK2011 | 投稿日:2012年10月7日 |

前回の《もうひとつの「リフローは難しい」、あるいは期待するリフロー その3》で提唱した新しい注記、「地から◯字で開始、地から●字で折り返し」は不採用ということになった。相当するCSSを探してみました見つかりませんし、入力者・校正者にも分かりにくい注記であることは確かなので、納得できることです。

その代わりに浮かび上がった[#整形済み](仮名称:HTMLの<pre>タグに相当)については、そのメリット・デメリット、テキストの入力者・校正者がピンとくるものかどうかが不明ということで、要検討段階に留まっています。

[#整形済み]注記が有効となるのは、「地からの字上げがブロック(数行)ある場合」で、これは『もうひとつの「リフローは難しい」、あるいは期待するリフロー』シリーズの2大テーマの一つです(もうひとつのテーマは「天からの字下げが大きい場合」です)。

私には[#整形済み]注記はメリットが大きいものと思えます。そう思うようになったきっかけ、浮かび上がった問題点などを説明し、XHTMLでのCSS開発者、青空文庫ビューアの開発者の皆さん、テキストの入力者・校正者の皆さんの検討の材料にしていただきたいと思います。
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もうひとつの「リフローは難しい」、あるいは期待するリフロー その3
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カテゴリー:電子書籍,青空文庫 | 投稿者:POKEPEEK2011 | 投稿日:2012年9月9日 |

新しい注記、「地から◯字で開始、地から●字で折り返し」を提唱したい。ということで、まず複数行の文章の現状の「地から○字上げ」の処理が、各種青空文庫ビューアで様々に処理されていること、それぞれに難点があることを示しておきます。その上で、「地から◯字で開始、地から●字で折り返し」をシミュレーションを提示し、この新しい注記の採用を提唱したいと思います。

8月18日の投稿『もうひとつの「リフローは難しい」、あるいは期待するリフロー』では、青空文庫のポー「盗まれた手紙」(佐々木直次郎訳)の扉のエピグラムの各種青空文庫ビューアでの見え方を次の3つに分類されると説明していました。 (more…)


(続)もうひとつの「リフローは難しい」、あるいは期待するリフロー
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カテゴリー:電子書籍,青空文庫 | 投稿者:POKEPEEK2011 | 投稿日:2012年8月19日 |

『もうひとつの「リフローは難しい」、あるいは期待するリフロー』では、「盗まれた手紙」を用いて扉のエピグラムの表示について、天からの字下げ、エピグラムのブロックの字詰めをビューアが自動計算してくれれば、違和感の無いリフローのレイアウトになるということを説明しました。

青空文庫公開の佐々木直次郎訳のエドガー・アラン・ポー作品のうち、7つの作品で扉にエピグラムが載っています。みな、2つの句からなていて、第2句はたいていそのエピグラムの発言者となっています。次の表は、4つの行長について、だいたいこの数字であれば、違和感のないレイアウトになると思える字下げ、字詰め(および下マージン)をあげてあります。

一覧表

参照のために、底本からのスキャナ画像をあげておきます。左から「盗まれた手紙」「アッシャー家の崩壊」「ウィリアム・ウィルソン」「メールストロムの旋渦」「黄金虫」「モルグ街の殺人事件」「落穴と振子」。

ポー作品のエピグラム

1例だけ、AIR草紙でのシミュレートの例を追加であげておきます。

「アッシャー家の崩壊」の例で、天からの字下げだと字下げ数が非常に大きいものです。これを天からの字下げで注記すると、行長が短くなった時には、地に1字だけ表示される奇妙なレイアウトになってしまいます。行長が短くなった時に、天からの字下げ、字詰めが自動調整される期待されるリフローが普通になるまでは、天からの字下げを注記するのはためらわれます。やはり、現状のように、地からの字上げで指定するほうが、若干のレイアウトの崩れは出るものの、ベターといえます。

なんだか、現状肯定の結論になってしまったようですが、やっぱり「リフローは難しい」ということで、ひとまず終えることにします。


もうひとつの「リフローは難しい」、あるいは期待するリフロー
51

カテゴリー:未分類,電子書籍,青空文庫 | 投稿者:POKEPEEK2011 | 投稿日:2012年8月18日 |

電子書籍のリフローの難しさについては、『電子書籍の(なかなか)明けない夜明け 第11回 ● 「なぜ電子書籍のリフローはむずかしい」 で、村上真雄氏が特に行頭行末揃えの難しさについて説明されている。

私が気がついた電子書籍のもうひとつの「リフローは難しい」、青空文庫にあるエドガー・アラン・ポーの作品にあるエピグラムの表示が色々であることに去る6月に気がついて、報告 https://twitter.com/POKEPEEK2011/status/218091572288425984だけをしておいてあった。

青空文庫ビューアでのリフロー処理の難しさは、このエピグラムだけでなく、見出しの位置をどう処理するかの問題でもある。また、これは天から○字下げ、地から○字上げという注記をどのように処理するかということである。

ここでは、まずポーの佐々木直次郎訳『盗まれた手紙』(新潮文庫)でのエピグラムの表示を通じて、電子書籍のリフローの難しさと私が期待するリフローでの見え方を説明しようと思う。

先のtwitterでUPした各種ビューアの画像のほかに、楽天Kobo touchの画像およびPCビューアとしてPageOne、TextMiruの画像を加えた画像が次のものである。

図1 各種青空ビューアにみる地から○字上げ注記の処理の違い

このエピグラムのテキストと注記は、次のとおりである。

[#ページ中央]
[#地から10字上げ]Nil 〔sapientiae&〕 odiosius acumine nimio.
[#地から2字上げ](叡智にとりてあまりに鋭敏すぎるほど忌むべきはなし)
[#地から4字上げ]セネカ(1)
[#改ページ]

画像を見ると、大きく分けて2つ、細かく分けると3つのタイプがあることが分かる。
①注記に忠実に字上げを行なっているビューア
②字上げを行なっているが、字上げの処理が①と異なっているビューア
③字上げの注記は無視して天から表示しているビューア

行長が短いと[#地から10字上げ]、[#地から2字上げ]とテキストの長さとの合計が行長を超えるので、折り返しが発生する。今、注記は地からの字上げなので、折り返しは地からとなり、①のタイプのビューアでは、地を揃えた形で表示される。

②のタイプのビューは豊平文庫だけである。これは、和文では文末を地から2字上げにし、文頭の折り返しは地付きにしている。英文については、残念ながら、[#地から10字上げ]がどう反映されているのか、判読できない。

③のタイプのビューアは、行長が短い場合のこのような不都合を避けるためであろう、地から○字上げの注記を無視するように処理されている。これはこれで処理はシンプルだし、見栄えも悪くはならない。

では、底本の組版の趣旨をできるだけ反映した形で、地から○字上げ、あるいは天から○字下げを実現するには、どうしたら良いか?

まず、文章が長い時には、注記を単純な字下げ、字上げではなく、字下げと字詰めを組み合わせた注記にしたほうが良いだろう。なお、字詰めの注記は、レイアウトの「字下げ」の項目には記載されていなくて、「その他」の項目に記載されているので、少し見つけにくい。
テキストには、字下げと字詰めの組み合わせを底本のレイアウトに合わせた数値で記述する。この記述してある字下げ、字詰めの数字をビューアが行長に合わせて自動的に調整するというのが、私の求めるリフローになる。

このようなリフロー処理は、既に存在しているかもしれない。しかし、私自身は出会っていないので、ここではAIR草紙を用いて、シミュレーションを行なってみる。

初めに、佐々木直次郎訳の「盗まれた手紙」の底本の扉裏のスキャン画像は、次のようである。

図2 「盗まれた手紙」 扉裏 スキャン画像

このようなレイアウトになっているエピグラムを、リフローな画面でどう処理してくれれば、違和感なく見れるかを考えてみた。「盗まれた手紙」が収められている新潮文庫『モルグ街の殺人事件』は84版では本文字詰めは43文字、扉裏にあるエピグラムは本文より小さい活字で印刷されている。位置は、本文文字で数えて18字下げ、エピグラムの文章の文字数は長いほうが26字なので、次のように記述する。

●字下げと字詰めの組み合わせ
[#ここから18字下げ]
[#ここから26字詰め]
[#ここから1段階小さな文字]
Nil 〔sapientiae&〕 odiosius acumine nimio.
(叡智にとりてあまりに鋭敏すぎるほど忌むべきはなし)
[#ここで小さな文字終わり]
[#ここで字詰め終わり]
[#ここで字下げ終わり]
[#ここから36字下げ]
[#ここから5字詰め]
[#ここから1段階小さな文字]
セネカ(1)[#「(1)」は行右小書き]
[#ここで小さな文字終わり]
[#ここで字詰め終わり]
[#ここで字下げ終わり]

このテキストをAIR草紙で行長が43字にした画像が次の図の中央である。図の右側の本文のスキャン画像とほぼ同等であるといえよう。ところが、このまま画面サイズを小さくして、行長が28字にすると、図の左側のようになってしまう。特に「セネカ」の文字列が地に沿ってしまうことになる。

図3 底本とAIR草紙での2つのサイズの比較

いろいろな考え方があると思われるが、私は天からの字下げにしたときの字下げの字数は、行長が短くなれば、ずっと短くし、地からの字上げも2字か1字程度(ことによったら0字)にするのが良いと思う。

ということで、底本の1行43文字でのレイアウトのときと、1行28文字、22文字、18文字のときのレイアウトは、だいたいこんなものになれば良いだろうという案をAIR草紙でシュミレートしてみた。

AIR草紙でのシュミレート

図4 4つの字数でのシュミレート

数字は1行での文字数を数えるためにつけたもので1行目は本文の文字サイズでの字数、2行目がエピグラムを1段階小さな文字で表示したときの行数、エピグラムをおいた後の行の数字は、天からの字数、地からの字数の目印のためのものである。
そのあとの数字は、例えば本文43字、小さな字は50字のとき、天からの字下げは18字、エピグラムのブロックの字詰めは26文字で、地からの空きは3字ということを示している。

表にまとめると次のようになる。

Nil 〔sapientiae&〕 odiosius…
(叡智にとりてあまりに
セネカ
本文字数 小サイズ字数 天字下げ 字詰め 地字上げ 天字下げ 字詰め 地字上げ
43 50 18 26 3 36 5 3
28 32 4 23 2 22 5 2
22 25 3 18 1 16 5 1
18 20 1 16 1 12 5 1

本文字数に従って、天からの字下げ、字詰め、地からの字上げの数字を計算によって青空文庫ビューアが変更することができれば、こうしたエピグラムの違和感のない自動レイアウトもできるのではないだろうか。

4つの変数から、どんな場合でも、適切な数値が自動計算で求められるかどうかは分からない。いろいろな書籍のレイアウトをされている組版技術者、デザイナーであれば、既になんらかの計算式をお持ちかもしれない。また、Latexなどの関数としてあるのかもしれない。また、数学の得意な人であれば、なんらかの数式を導きだせるかもしれない。

佐々木直次郎訳の新潮文庫収録のポー作品には、ほかに6つの作品にエピグラムがあるので、次回にはシミュレートした数値を提供することにしたい。


そらいろのブックカバー 第四話「いつかの雪は今いずこ」
35

カテゴリー:,電子書籍 | 投稿者:OKUBO Yu | 投稿日:2012年6月5日 |

テクストにおける〈青空的な何か〉をテーマに書いてみたパート4。ひとまずこれでおしまい。だいぶ前に作ったものです。読み返してみて気がついたのですが、このお話ってたぶんインターネットとかパソコンとかが普及する前のことですよね。なんだかノスタルジック。(なお、当作品のご利用につきましては、お絵かきでも朗読でも、下の方にあるクリエイティブコモンズの範囲内でご自由にどうぞ。) ▲前話▲ ▽初めから▽

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そらいろのブックカバー 第三話「テストのまえのばん」
34

カテゴリー:,電子書籍 | 投稿者:OKUBO Yu | 投稿日:2012年5月29日 |

テクストにおける〈青空的な何か〉をテーマに書いてみたパート3。結構前に書いたもの。こういうのって、オリジナル作品もあった初期の青空文庫みたいですね。しかしながらそのような青空文庫は今はなく、またそのようなインターネットも時の彼方にあるのかもしれません。エキスパンドブックと訪れなかった未来をしのびつつ。(なお、当作品のご利用につきましては、お絵かきでも朗読でも、下の方にあるクリエイティブコモンズの範囲内でご自由にどうぞ。) ▲前話▲ ▼次話▼

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そらいろのブックカバー 第二話「きれいはきらい?」
32

カテゴリー:,電子書籍 | 投稿者:OKUBO Yu | 投稿日:2012年5月22日 |

テクストにおける〈青空的な何か〉をテーマに書いてみたパート2。だいたい日曜の朝にやっているようなアニメを想定して、(プリキュア+ドラえもん+ポケモン)÷3みたいな感じでだいぶ前に作った児童文学っぽいものです。気軽な読み物としてどうぞ。(なお、当作品のご利用につきましては、お絵かきでも朗読でも、下の方にあるクリエイティブコモンズの範囲内でご自由にどうぞ。) ▲前話▲ ▼次話▼

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そらいろのブックカバー 第一話「ムズムズとわたし」
29

カテゴリー:,電子書籍 | 投稿者:OKUBO Yu | 投稿日:2012年5月15日 |

この作品は、テクストにおける〈青空的な何か〉をそれとなく児童文学っぽいお話にしたものです。何年か前に書いたもの。全4話。ところどころにネット上にあるフリーテクストへのリンクが貼られてあって、その紹介を兼ねています。合わせてどうぞ。(ただいま挿絵がございません。なんだかさみしいですね。なお、当作品のご利用につきましては、お絵かきでも朗読でも、ブログ下部にもありますが、クリエイティブコモンズの範囲内でご自由にどうぞ。) ▼次話▼

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