12月のアクセス増は特に特徴がないように思える。しいてあげればXHTML版に季節ものと言える作品がランクインしていることであろうか。なかでも11月ランク外の太宰治「十二月八日」がXHTML版アクセス増率ランキング1位になったのは注目に値する。2010年以降、「十二月八日」が500位内に入っているのは、’10/08(222)、’10/12(293)、’11/12(2515)、’12/08(231)、’12/12(282)、’13/08(284)、’13/12(2612)である。2012年と2011年、2013年とでは、違う政治状況・世界情勢であることを示しているのかもしれない。
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今朝ネットニュースを読んでいたら、面白い記事に当たった。「天使に翼はない カトリック天使学者の話 」
ラバトーリ神父は天使の「再流行」のためには一般的に広まった天使のイメージは必要だったと認めるものの、クリスマスシーズンに天使のイメージがちまたにあふれかえることには否定的だ。「ある程度は容認できるとしても、あれは真の天使の姿ではないことを知っておくべきだ。天使は翼をもっていないし子どもでもない」
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吉川英治作品の新規公開が少なくなったので、アクセス増もやや落ち着いた印象を受ける。映画・テレビ作品の上映に伴う関連作品のアクセス増、社会的な事件に関連してのアクセス増があり、もう一方では原因のつかめないアクセス増もある。
前者は、例えば高畑勲監督作品の映画「かぐや姫の物語」の上映に伴う和田万吉「竹取物語」、山本太郎参議院議員の直訴事件に関連する田中正造「直訴状」のアクセス増である。
後者は菊池寛「アラビヤンナイト」、島崎藤村「夜明け前」のアクセス増である。こちらは、いつものように筆者の狭い見聞や検索で原因が分からないというだけで、なんらかのきっかけはあるのだろう。
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というわけで、twitterで展開されました先日のカードバトルの続編みたいなものの、まとめ。
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このコーナーは、青空文庫のアクセスランキングで、前の月の新規公開作品の1日当たりアクセス数(200超過アクセス/日)と、前々月から前月へのアクセス増率の2つのランキングを作成して、公開するというものである。
表計算ソフトで計算し、ソートして結果を得ているだけなのだが、時々びっくりするような結果が出ることがある。今月の結果で驚いたのは、テキスト版アクセス増ランキングの15位までのうち14位を吉川英治作品が占めたことである。掲載する表には収められなかったが、40位までの実に36作品を吉川英治作品が占めている。
一方、XHTML版のアクセス増率ランキングでは、その傾向は全く見られない。特に「私本太平記」はランキングの中に入っていないのである。
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おおっと1回休みしてしまいましたがマンガ雑誌「月刊ヤングエース」(角川書店刊)に好評連載中『文豪ストレイドッグス』(原作:朝霧カフカ/作画:春河35)にかこつけて青空文庫で遊んでみるコーナーがふたたび帰って参りました!
12月号ではマフィアとの戦いがクライマックス! 異能力〈羅生門〉を駆使する芥川龍之介に、我らが中島敦くんはどう戦うのか! という盛り上がりでございますが、せっかくなので私も青空文庫の芥川龍之介さんと中島敦くんを戦わせてみましたっ。
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今月は、アクセス増としては特別に大きな話題はなかったようだ。新規公開作品では、期待にそぐわず吉川英治の『三国志』が特にテキスト版で大きなアクセス数を出している。詳しい分析はしていないが、『宮本武蔵』『私本 太平記』より多いようだ。
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どうもいつもより遅れましてこんにちは、マンガ雑誌「月刊ヤングエース」(角川書店刊)に好評連載中『文豪ストレイドッグス』(原作:朝霧カフカ/作画:春河35)の応援を今月は忘れていたわけではございませんよ、少しばかり忙しかっただけなのです。
今月は太宰との〈あのエピソード〉がtwitterで広まってしまった詩人・中原中也を元にしたキャラが登場、2巻の太宰のキャラ紹介では先行して「嫌いなもの:中原中也」と書かれておりましたが、しかしどうやら関係性は史実とはちょっぴり違うようなので気になるお方、詳しくは発売中のヤングエース本誌まで!
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8/16日に青空文庫の中心的な呼びかけ人だった富田倫生さんが亡くなられた。ご冥福をお祈りします。
何年かのあいだ掲載されていなかったaozorablogの再開が始まったのが2012年3月。この青空文庫の月間アクセス増率の分析を初めてアップしたのが2012年4月のことでした。読みこなしてもいないランキング上位の定番作品に目を向けないで、赤丸急上昇的な作品はなんだろうと思って、twitter上で最初はテキストのtweet、ついでTwitpicの画像でつぶやいていたのを、富田さんが読んでくれていて、この場を与えられたのでした。
aozorablogの再開のきっかけの一つとなったのは、アクセス増(アクセスの変動)のこれらのツィートとその前にtwitter上で報告していた各種青空文庫ビューアの注記処理状況の報告であったと思います。アクセス増分析はなんとか続けていますが、注記処理状況の報告については、ブログ上である程度きちんと報告するには、いろいろ調査が必要となるので、富田さんの期待に添うことができないできました。2012年の夏に、『もうひとつの「リフローは難しい」、あるいは期待するリフロー』 http://www.aozora.gr.jp/aozorablog/?p=1052 と題した一連の調査があるきりです。
富田さんとの出会いは、青空文庫注記形式を利用して漢文の訓点テキストを作成し、青空文庫ビューアで読もうとしていて、再読文字の注記方法が分からなかったことをtwitterで呟いたいていたことからでした。再読文字の注記自体は、その時既に存在していて、“青空文庫[#「青空文庫」の左に「あおぞらぶんこ」のルビ]”のように注記すれば良かったのでした。再読文字に即して言えば、“未[#「未」の左に「ザル」のルビ]”のように注記すれば良いわけです。左につくルビは、調べると実にやっかいな注記(処理)で、Webkitでも、まだ実装されていません。青空文庫ビューアでちゃんと処理できているのは、えあ草紙/AIR草紙ぐらいなものです。
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私が、富田さんと初めてお会いしたのは、今から十年以上前の青空文庫のオフ会だった。「オフ会」というもの珍しさに惹かれ、新橋までやってきた田舎者の私は、道に迷いミーティングに遅刻した。遅刻者の常で、ドアを開けると一斉に二十数人の視線を浴びた。私は、どぎまぎして空いた席を見渡したが、どこに座ったらいいのかと迷う必要はなかった。席は一つしか残っていなかったのだから。残り物に福があるはずである。確かに、福だった? 富田さんの隣だったのだから。
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