今月は、7/20に公開された宮崎駿「風立ちぬ」の原作の一つ、堀辰雄「風立ちぬ」が予想通り、XHTML版とテキスト版のアクセス・ランキングで1位になったことが第一の話題である。また、予想されていなくて、カフカ「変身」にアクセスが多かったも注目に価する。カフカ「変身」はNHKテレビの「100分で名著」で2012年5月に取り上げられているのだから、今月にアクセスが増えた原因とは思えない。再放送されたということもキャッチできない。
今月のアクセス増率のランキングに入っているそのほかの作品の多くも、ちょっと理由は浮かばない。これはいつものことなので、もし思い当たる人があったら、コメントにでも記入してもらいたい。
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こんにちはこんにちは先頃第2巻が発売され第1巻はなんと15万部を越えたとかいうマンガ雑誌「月刊ヤングエース」(角川書店刊)に連載中『文豪ストレイドッグス』(原作:朝霧カフカ/作画:春河35)から青空文庫への導線を引いてみようとする記事を今月も別にこれといって投稿を期待されないながらも書いてみますよー。
ヤングエースの本編では表紙になるとともに第2巻の続きとして敦くんと鏡花ちゃんがデートなんぞしておりますが、それはさておき第2巻の話と話のあいだ幕間的なページにはついに各登場人物のプロフィール設定が小出し公開になっているじゃありませんかっ!
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こんにちは今月と来月はワールドゲイズクリップスが休載ということでしょんぼりしておりますが相も変わらずマンガ雑誌「月刊ヤングエース」(角川書店刊)に連載中『文豪ストレイドッグス』(原作:朝霧カフカ/作画:春河35)にまつろいながら青空文庫の図書カードにリンクを貼り貼り参ろうかと存じます。
先月と今月とには、和服少女キャラとして泉鏡花さんがご登場。
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今月は分析する前から中島敦「名人伝」のアクセス増が注目されていた。6/17のフジテレビ「笑っていいとも」で今年の流行語大賞候補ナンバー1の林修先生が「タモリさんと初めてあった時から中島敦の『名人伝』に出てくる主人公のような人物」と語ったと伝えられたからだ。
まず最初にXHTML版の既公開作品のアクセス増率のソートを行って、予想通り、中島敦「名人伝」がランキング2位(単純アクセス数増では1位)に出て来た。同じく中島敦の「悟浄歎異 —沙門悟浄の手記—」が第1位、「悟浄出世」が第13位だったので、ふと林修先生はタモリさんを「悟浄」に例えたのかと思ったら、そうではなかった。
「TVでた蔵 悟浄歎異」 によると、「先週はタモリにピッタリの本は中島敦の『名人伝』だと紹介したが、今日は田中裕二には中島敦の『悟浄歎異』で千原ジュニアには夏目漱石の『行人』がオススメだと紹介した。」とのことだ。改めて、表を見直すと、夏目漱石「行人」は第9位である。
堀辰雄「風立ちぬ」は7/20に公開される宮崎駿「風立ちぬ」の原作だから、これはもう当然のランクイン。映画「レ・ミゼラブル」は、青空文庫でミリエル神父に出会うところまでだったが、読んでいたので良かったという印象があるので、堀辰雄「風立ちぬ」も読んでおこうと思っている。
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’13/05月は、XHTML版でまたまた芥川竜之介「谷崎潤一郎氏」が2万アクセスを超えて驚きを与えた。まさに
である。
そのほか、憲法記念日のある5月らしく、憲法の話が例年のようにアクセス増率のランキングに入っているが、「大日本帝国憲法」がアクセス増分析の中に登場してきたのにちょっと驚いた。
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どうもどうもこんにちは、この記事はマンガ雑誌「月刊ヤングエース」(角川書店刊)に連載中『文豪ストレイドッグス』(原作:朝霧カフカ/作画:春河35)をこれといって解説するわけでもなくネタバレを極力避けながらその月の掲載話に出てきた文豪由来の登場人物の作品なり人物なり何なりについてそれとなく書き連ねてみようと思いつつ今月はどちらかというとついに新世紀エヴァンゲリオンのマンガ版が終了したことについてひとつの感慨を隠せないエヴァ当時14歳のおっさんのしたためるつれづれ書き物になります。
梶井基次郎といえば〈檸檬・童貞・桜の樹〉ですよね。
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’13/04月は、新規公開作品一日当たりアクセス数でも、2月間のアクセス増率でも、新規公開が月末近くであれば、計算上大きな数字になってしまう。方法上のそんな制約が姿を現したように思える月であった。また、アクセス増率と単純アクセツ増もほとんど差がなかった。したがって、今月は単純アクセス増の表の掲載は取りやめることにした。
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どうも皆様こんにちは、今月も! 単行本発売と同時に話題沸騰、緊急重版もかかったという、マンガ雑誌「月刊ヤングエース」(角川書店刊)に連載中『文豪ストレイドッグス』(原作:朝霧カフカ/作画:春河35)の応援記事を、(ナタリーに比べて圧倒的に支援効果が少ないことを承知しつつも)性懲りもなく書きたいと思います。
今月は、ついに満を持して、江戸川乱歩さんの活躍が!
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だれもが知っている「カチカチ山」のお話では、狸は人をだます悪者である。心やさしいおばあさんを殺して婆汁を作り、自分は殺したおばあさんに化けて、おじいさんには婆汁を狸汁だといつわって食べさせる。いっぽう兎はその悪者狸の背中に火をつけ、焼かれた背中にはよく効く薬だといって芥子を塗り、さらには泥の舟に乗せて漁に誘い出して溺死させる、人間の味方の知恵ある者だ。
太宰治の「お伽草子」(一九四五)は戦争中の防空壕のなかで五歳の娘に昔話の絵本を読んでやりながら、それらのお話からまったく別個の物語を描き出すという趣向だ。そこでは「カチカチ山」の兎は少女であり「さうしてあの惨めな敗北を喫する狸は、その兎の少女を恋してゐる醜男」となる。しかも「狸仲間でも風采あがらず、ただ団々として、愚鈍大食の野暮天」なのだ。狸はいつも空腹らしく、蜘蛛や小虫を拾って食べている。兎にとっては臭いおじさんだろう。狸のお弁当箱は石油缶の大きさであり、兎が「あっ」と言って顔を覆うようなものが入っているらしい。泥の舟で鮒を釣りに行くときにも石油缶大のお弁当箱をまず積み込む。そして舟が溶けて沈みそうになったときにはこう叫ぶのだ。「やあ、沈む。おい、お前どうしてくれるんだ。お弁当がむだになるぢやないか。このお弁当箱には鼬の糞でまぶした蚯蚓のマカロニなんか入つてゐるのだ。惜しいぢやないか。あつぷ!」
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