だれもが知っている「カチカチ山」のお話では、狸は人をだます悪者である。心やさしいおばあさんを殺して婆汁を作り、自分は殺したおばあさんに化けて、おじいさんには婆汁を狸汁だといつわって食べさせる。いっぽう兎はその悪者狸の背中に火をつけ、焼かれた背中にはよく効く薬だといって芥子を塗り、さらには泥の舟に乗せて漁に誘い出して溺死させる、人間の味方の知恵ある者だ。
太宰治の「お伽草子」(一九四五)は戦争中の防空壕のなかで五歳の娘に昔話の絵本を読んでやりながら、それらのお話からまったく別個の物語を描き出すという趣向だ。そこでは「カチカチ山」の兎は少女であり「さうしてあの惨めな敗北を喫する狸は、その兎の少女を恋してゐる醜男」となる。しかも「狸仲間でも風采あがらず、ただ団々として、愚鈍大食の野暮天」なのだ。狸はいつも空腹らしく、蜘蛛や小虫を拾って食べている。兎にとっては臭いおじさんだろう。狸のお弁当箱は石油缶の大きさであり、兎が「あっ」と言って顔を覆うようなものが入っているらしい。泥の舟で鮒を釣りに行くときにも石油缶大のお弁当箱をまず積み込む。そして舟が溶けて沈みそうになったときにはこう叫ぶのだ。「やあ、沈む。おい、お前どうしてくれるんだ。お弁当がむだになるぢやないか。このお弁当箱には鼬の糞でまぶした蚯蚓のマカロニなんか入つてゐるのだ。惜しいぢやないか。あつぷ!」
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XHTML版 アクセス増率ランキングを除く3つのアクセスランキングで吉川英治作品が上位を独占。人気の高さがうかがえる。
■青空文庫 ’13/02 – ’13/03 XHTML版新規公開作品一日当たりアクセス数ランキング
『私本 太平記』と『宮本武蔵』のような大作ではなかったが、相変わらず吉川英治作品が上位を独占。XHTML版は03/27公開の2作品までランキングに入っており、一日当たりアクセス数ではその2作品が1位、2位に入っている。アクセス数で言えば、「大谷刑部」「随筆 宮本武蔵」「宮本武蔵 08 円明の巻」が上位である。
吉川英治作品以外ではクロポトキン「革命の研究」、小倉金之助「三百年後」が注目される。
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ドウモ皆様コンニチハ……
「この『文豪ストレイドッグス』っていうの頗る気になるけど今更漫画雑誌買うのもなあ」「それに付録とか表紙とかが買いづらくて相困ったな」「ポスターならまだしもフィギュアに枕カバー、いったいどうしてよいものやら手に余る」「買うか買わざるかウームウーム」
などとお悩みの方に朗報デス! マンガ雑誌「月刊ヤングエース」(角川書店刊)に連載中『文豪ストレイドッグス』(原作:朝霧カフカ/作画:春河35)が4月4日、ついに単行本として発売になりました! オメデトウゴザイマス!
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2013年/02月の青空文庫のアクセスランキング500のアクセス増の話題は二つ。一つは吉川英治作品の人気の高さ、もう一つは「ビブリオ古書店の事件手帖」効果。2月公開の「宮本武蔵」は新規公開作品の1日当たりアクセス数の上位を独占しているし、テキスト版では1月公開の作品へのアクセスも継続している。
フジテレビの連続ドラマ「ビブリオ古書店の事件手帖」は、第4話に宮沢賢治「春と修羅」、第6話に太宰治『晩年』が取り上げられていたため、その効果が見られる。
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どうもみなさんこんにちは、もう何だか花粉症でぼろぼろだから投稿遅れましたと言い訳したいわたくしではありますが、なにぶん年度末ですからね。さて今月も1日から4日あたりに発売になってるはずのマンガ雑誌「月刊ヤングエース」(角川書店刊)に連載中『文豪ストレイドッグス』(原作:朝霧カフカ/作画:春河35)にかこつけて、色々紹介なんぞしちゃいますのでどうぞよろしくお願い申し上げます。
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2013年/01月の青空文庫のアクセスランキング500の大きな話題は2つ。1つは、センター試験が生んだ珍事――牧野信一「地球儀」の大アクセス増、もう1つは今年が青空文庫の“ビッグ・イヤー”と呼ばれ、早くから作品公開が待たれていた柳田国男、吉川英治、室生犀星、中谷宇一郎ら人気のある人たちの作品がランキングにずらりと入っていることである。“ビッグ・イヤー”ぶりは、XHTML版、テキスト版の新規公開作品一日当たりアクセス数ランキングでみてもらうとして、ここでは牧野信一「地球儀」について、少しまとめておく。
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どうも1ヶ月ぶりですこんにちは、月刊誌の発売タイミングがわからなくなって2月号を2度買ってしまったわたくしですが、今月も1日から4日あたりに発売になってるはずのマンガ雑誌「月刊ヤングエース」(角川書店刊)に連載中『文豪ストレイドッグス』(原作:朝霧カフカ/作画:春河35)にかこつけて、文豪の紹介なんぞしちゃいますのでどうぞよろしくお願い申し上げます。
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東京の学生となって初めての冬、沖縄出身の同級生たちが、「生まれて初めて雪をみた」と感動していた。そんな彼女たちを見て、雪国出身者の私たちは感動した。
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2011年-2012年の年間アクセス増分析では何が分かるのであろうか?
2010年-2011年の年間アクセス増分析はまだaozorablogでは発表しておらず、表を画像にしてtwitterで発表するという方法をとっていた。XHTML版 http://twitpic.com/856hdi テキスト版 http://twitpic.com/856i3f 。また、今回のようにその年度の新規公開作品だけを別分類にするということも、単純アクセス数増といく分類も行なっていなかった。したがって、2011年度と比較することは部分的にしかできないが、分かる範囲で比較してみよう。
新規公開作品でXHTML版で500位ランキングに入ったのは、2011年度で8作品、2012年度で10作品。テキスト版では2011年度で9作品、2012年度で10作品。共に同程度と言える。
アクセス増率ではXHTML版の2011年トップが伊丹万作「戦争責任者の問題」で5.56であったのに対し、2012年トップは芥川竜之介「谷崎潤一郎氏」で45.79だが、これはちょっと特別で、実質は3位の宮沢賢治「やまなし」の2.85となる。
テキスト版では2011年が実質トップのグリム「ラプンツェル」の2.55に対し、2012年トップは宮沢賢治「グスコーブドリの伝記」の3.37で、これはかなりのアクセス増だということになる。
まとめてみると、芥川竜之介「谷崎潤一郎氏」という例外を除けば、XHTML版でもテキスト版でも宮沢賢治作品がアクセス増率のトップということになる。
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